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2011年8月18日 (木)

伝説の日本人宿「久美子の家」での出会い

Varanasi(ヴァラナシ)6日目。


僕が今、このVaranasi(ヴァラナシ)でお世話になっているのは、
「久美子の家」と呼ばれるゲストハウスだ。


ふっくらとした日本人の女将さんと、哲学者のようなインド人の旦那さんが経営していて、
「伝説の日本人宿」と言われている。
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実は、今回の旅で、僕が「日本人宿」と呼ばれる安宿に泊まるのは初めてだ。
日本人宿とは、言葉の通り、日本人がマジョリティを占める宿のことだ。


僕は、これまで日本人宿に泊ることを少し敬遠していたかもしれない。
世界に出て積極的に日本人との出会いを求めるという動機に乏しかったし、
英語でのコミュニケーションに左程苦労しないこともあった。


では、このVaranasi(ヴァラナシ)でなぜ日本人宿を選んだのかと言うと…、
それは何故だろう。


再会を約束したリュウさんが宿泊していたことはもちろんある。


それと同時に、僕は、この2ヶ月間に及ぶインドの旅で、あるいは、5カ月間に
及ぶ、中国・東南アジア・インドの旅で、“日本的なもの”に飢えていたのかもしれない、
とも思う。


“日本的なもの”とは、会釈や沈黙や間で繋がることのできる関係性だったり、
日本人同士で出会うときに生じる暗黙の“上下の序列”に身を置く
安心感だったり、日本の“常識”が共有されていることを前提とした
ストレスの少ない会話運びだったり…。


“日本的なもの”には、もちろん、日本食も含まれる。
「久美子の家」では、朝と晩、久美子さんが限りなく和食に近い料理を作ってくれる。


あるいは、今回の旅で、インドはほとんどアジア最後の国だ。
僕は、次は、ネパールを挟んで、ヨーロッパに移動する。


Varanasi(ヴァラナシ)は、ここアジアで日本的なものにDeepに身を浸すことのできる
最後の場所になるかもしれないと言う予感もあった。


僕は、この「久美子の家」で、日本的な空気の中で、とても快適なリラックスした時間を
過ごすしている。別に、毎日、特別なことをしているわけじゃない。


日本人の旅人と出会い、彼らとの会話を楽しみ、それに飽きると本を開き、それにも飽きると、
Gangha(ガンガー)を眺める。そうして1日が過ぎていく。


僕が「久美子の宿」で出会った日本人たち。


Kさん。
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大阪出身で38歳の彼は、北海道のニセコでスキーのインストラクターをしている。
心からその仕事を愛していて、一生、この仕事で生きていく覚悟だと言う。


とても興味深かったのが、彼の職場の話だ。
ものすごくインターナショナルなのだ。


同僚のインストラクター約50人のうち、日本人は5人だけ。
職場の公用語はもちろん英語で、彼の上司はオーストラリア人だと言う。


顧客であるスキー教室の生徒のマジョリティも外国人だそうだ。


季節が反対の南半球から、良質の雪を求めて、オーストラリア人やニュージーランド人が
北海道にスキーにやってくる。中国や韓国からも、同じく雪を体感しに、そして、
スキーを体験しに、人々が北海道にやってくる。


だから、Kさんは、英語だけでなく、韓国語も流暢に話すことが出来る。


彼の話を聞きながら、スキーインストラクターの世界は、ある意味、この日本の中でもっとも
外に開かれている最先端の職場なのかもしれない、などと思った。


世界一周中の2人組にも出会った。YさんとTさん。
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40歳と32歳のコンビで、2人とも福岡県の出身だ。


トラックの運転手だった笑顔の素敵な人間味あふれるYさんと、
知的好奇心が旺盛な元営業マンのTさん。


2人とも英語はほとんど話せないけど、とても純朴な人柄で、
素敵な旅を続けている。


旅のきっかけは、ある日、TさんがYさんに電話をして「世界一周に出かけてみないか」と
尋ねたことだったそうだ。Yさんの回答は、「おー、行く、行く」の即答だったと言う。
仕事を持っているにも関わらずその即答ぶりに、Tさんは却って不安になり、
「こいつ、大丈夫か」と誘ったことを後悔したそうだ。


一方で、Yさんにとっては故郷の福岡に帰りたいと思っていた矢先でもあり、
渡りに船のタイミングだったそうだ。


東京で別々の会社に勤めていた2人は、同じ時期に会社を辞めて、
世界一周チケットを買った。


2人は一緒に旅をしているけど、その好みには違いがあって、時々、別行動をするそうだ。
2カ月間滞在したタイでは、首長族にどうしても会いたいYさんはチェンマイに向けて
タイを北上し、アンコールワットをどうしても見たいTさんは、カンボジアに向かった。


お互いに、相手の興味関心にはあまり興味関心が無い、と笑った。


ここインドでも、砂漠をどうしても見たいYさんと、ヒマラヤ山脈をどうしても見たい
Tさんは別行動を取ることになった。


そんな2人だけど、もし1人だったら世界一周なんで絶対に出かけることはなかったと、
相棒の存在に心から感謝をしていると、口を揃えて言った。


また、今日、リュウさんに続いて、2人目の日本人をKajuraho(カジュラホー)に見送った。
もちろん、そこで泊るべき宿とSoni(ソニ)さんを紹介した。


彼の名前は、ヒロキくん。
東京外国語大学で中国語を専攻している3年生だ。
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「僕は、言葉を習得するために、真面目に、長い時間をかけて努力を重ねてきました。
今は、中国語はもちろんですが、英語も話せます。


日本に帰ったら、9月から就職活動が始まるのですが、僕は今回のインドの旅で、
自分は語学を相手に教えることに並々ならぬ情熱を感じるんだと知りました。
ですから、教職を目指してみようかと考えているところです。


ただ、そのまま教職を目指すべきか、一度、就職をして社会人を経験しておいた方がよいのか、
迷っています。


TJさんはどう思われますか?」


こんな質問から始まって、僕たちは2時間ほど話をした。


この旅でしばしば感じるのが、日本の若者は、真剣に向き合って対話してくれる大人との出会いを
求めていると言うことだ。同じ目線で自分たちの声に耳を傾けてくれ、飾らない率直なコメントをしてくれる
大人との出会いを、心から欲していると言うことだ。


日本宿での日本人との出会いも、けっこう面白い。

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