世界最南端の町、Usuaia(ウシュアイア)へ
僕は、23歳のマリさん、22歳のユウタくんと一緒に飛行場に向かために、
朝9時に33番のバスに乗る。
向かうのは、Argentina(アルゼンチン)に来た時の国際空港ではなく、
国内線の発着するAeroparque Jorge Newbery(ホルヘ・ニューベリー空港)だ。
朝のラッシュ時間の中、バスは45分ぐらいで空港に到着した。
「ここが空港だよ」と教えてくれたバスの運転手に、“Gracious!!!”と
大きな声でお礼を言って、バスを飛び降りる。
空港の前にあるバス停のすぐ前は、La Plata(ラプラタ)川だった。
飛行機の時間は、11時40分。僕たちはチェックインを済ませると
2階のカフェで、軽く朝食を取りながらいろいろ話をした。
2人とも、アメリカのSan Diego(サンディエゴ)のカレッジを卒業したばかりだ。
Mexico(メキシコ)からChile(チリ)、Argentina(アルゼンチン)と南下してきて、
南米の旅の後は、ヨーロッパに向かうそうだ。
マリさんは福岡県出身、ユウタくんは青森県の出身だ。
とても礼儀正しく、素直な2人だ。
留学時代の楽しかったこと、苦労したこと、頑張ったこと、将来のこと…。
いろいろ話してくれた。彼らの話を通して、僕は自分の留学時代を振り返る。
San Francisco(サンフランシスコ)の日々が懐かしく思い出されて、
まだ2年もたっていないのに、すべてが遠い昔のような気がした。
彼らの留学していた場所は、メキシコ国境に近い。クラスメートが30人いたとすると、
15人はメキシコ人かメキシコ系アメリカ人、12名が白人系のアメリカ人、残りの3人ぐらいが
アジアからの留学生ということで、黒人はほとんどいなかったそうだ。
同じCalifornia(カリフォルニア)州でも街によって人口構成ががらりと変わる。
アメリカと言う国は、本当に多様性に富む国だと思う。
僕は、San Diego(サンディエゴ)が大好きな彼らの話を聞きながら、
世界の国々の表面に触れてきた今、もう一度、アメリカを、San Francisco(サンフランシスコ)を
訪れたらいったい何を感じるのだろうと、アメリカに飛ぶ8月を待ち遠しく思った。
Ushuaia(ウシュアイア)までの飛行時間は、3時間半だ。
飛行機の中で、小さくなっていく景色を見ながら、雲に隠れていく景色を見ながら、
僕は、人生のバランスについて考える。
夢と現実、仕事と家族、お金と幸せ、精神世界とビジネス社会、
日本と世界、あるいは…、お肉と野菜でもいい。
小さな範囲でバランスを取るのではなく、目一杯両極に広くレンジを取った中で、
自分なりの究極のバランスポイントを見つけ、その均衡の中を生きていく。
大きなバランスを取りながら、一瞬一瞬を生きる生き方…。
そう頭の中で考えているのだけど、体の奥の方では、違う声も聞こえる。
人生の日々の瞬間においてバランスが取れていると言うのではなく、
人生をトータルで見たときにバランスを取る生き方もあるんじゃないのか、と。
ある時期は勉強に、ある時期は仕事に、ある時期は旅に、ある時期は趣味に、打ち込む。
その時々は、バランスを崩した打ち込み方だったかもしれないけど、長い目で見れば、
いろいろな方向に引っ張り合って、全体としてバランスが取れている、そんな生き方…。
3年間の留学と約2年間に及ぶ旅。日本の社会を離れて、トータルで5年間、
ある方向に人生の振り子を思い切り振った。
今度は、逆方向に人生の振り子を思いっきり振りたい気も…、している。
でも、留学と旅の前は、仕事に人生の振り子を思いっきり振ってきたし…、
この振り子のパターンは、これまでの人生でずっと繰り返してきたことのようにも思う。
空港には、予定より30分ほど遅れて、午後4時に到着した。
その瞬間から、ずいぶんと寒かった。
僕たちは、タクシーに乗って街まで向かう。
2人が住所を控えてきた街中の宿に向かった。
アルゼンチン人の老夫妻が経営している宿だ。
スペイン語しか話せない2人だけど、とても温かい。
僕たちは、荷物を置いて、早速、Ushuaia(ウシュアイア)の港まで散歩に出かけた。
Ushuaia(ウシュアイア)の海と港は、演歌がとても似合いそうな気がした。




























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